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ユーザーセンタード・デザインは、今や常識?あなたは実践していますか?

ユーザーセンタード・デザインは、今や常識?あなたは実践していますか?

WEBサイト制作において、調査やペルソナの設定が重要と耳にしたことがあるでしょうか?私も、制作会社に入社した際、セミナーや講師の方からこの考え方を学びました。

しかし、この総合的なプロセスに「ユーザーセンタード・デザイン(UCD)」という名称があることを最近知りました。UCDは、ユーザーのニーズや制約を軸として、設計や開発を進行する方法を示します。この考え方はWEB制作のみならず、アプリケーションや製品、さらにはサービスの開発にも非常に役立つものです。

そして近年、多くのクリエーターは特に『プログラミング』や『デザイン』に力を入れています。確かに、これらの技術は非常に重要ですが、それ以外の重要なプロセスについても理解しておくことで、現在のアプローチが本当に効果的なのかどうかを再考する機会になるでしょう。

プロジェクトの事前段階で、どんなツールを使うか、デザインはどんなテイストにするかを話し合った経験はありませんか?

ツールやデザインの選定を先に進めてしまうケースってあるよね

この記事では、ユーザーを中心とした設計や開発の考え方(UCD)に焦点を当てつつ、事前の調査や設計段階が疎かにされることで起こり得る問題にも触れていきます。

ユーザーセンタード・デザイン(UCD)とは?

ユーザーセンタード・デザイン(UCD)は、ユーザーのニーズや制約を中心に設計や開発を行う考え方です。この方法論は多くの研究者やデザイナーの長年の取り組みを通じて洗練されてきました。特にドナルド・ノーマンという学者が重要な役割を果たしており、彼の1988年の著書「The Design of Everyday Things」は、この分野の基礎となる文献として広く認識されています。

UCDの考え方を簡単に例えるなら、料理人がお客様の好みに合わせて料理を作る過程に似ています。まず、来店するお客様の特性や好み(ペルソナ)を理解します。次に、その好みやニーズを詳しくリサーチします。そして、その情報に基づいて料理(デザイン)を作成します。料理が提供された後も、お客様の反応や感想(フィードバック)を収集し、それを次回の料理作りに活かします。

このような考え方は、WEB制作だけでなく、多くの業界や分野で実践されています。UCDは、ユーザーの視点を常に中心に据え、より良い製品やサービスを提供するための方法論と言えるでしょう。

ユーザーセンタード・デザインの具体的な手順

ユーザーセンタード・デザインの具体的な手順は以下の通りです。

  • step.1 ユーザーリサーチ
  • step.2 ペルソナの設定
  • step.3 設計
  • step.4 プロトタプ & ワイヤーフレームの作成(ユーザーテストを行う場合も)
  • step.5 デザイン & 開発
  • step.6 評価 & 改善を繰り返す

以下ではそれぞれのステップについて詳しく解説します。

STEP.1

ユーザーリサーチ

ユーザーリサーチは、製品やサービスの設計段階で重要な役割を果たします。このリサーチを通じて、ユーザーのニーズや期待、制約、使う環境、直面する課題などを深く理解します。この知識は、製品やサービスのデザイン方向性を決めるための土台となり、また、何を改善するべきかを明確にするのに役立ちます。

ユーザーリサーチでの情報収集が不十分だと、後の設計や開発段階でユーザーの真のニーズを満たすことが難しくなる可能性があります。

ユーザーリサーチ方法

市場調査データや関連記事、レポートなどの情報をネット上で収集、SNS、オンラインアンケート、インタビュー、ヒートマップ分析を活用する方法があります。

STEP.2

ペルソナの設定

ペルソナは、あるユーザーグループの特性やニーズ、行動、考え方を具体的に示す仮想のユーザープロフィールのことを指します。ペルソナを設定することで、デザイナーや開発者はターゲットとなるユーザーの視点をより具体的にイメージできるようになります。これにより、ユーザーのニーズや期待を深く理解し、それに共感することが容易になります。

ペルソナ設定方法

収集したデータをもとに、ユーザーの共通の特徴やパターンを見つけ、特定のユーザーグループを代表するペルソナを作成します。ペルソナが製品やサービスを使用するシチュエーションや流れを考え、それを基にシナリオやストーリーボードを作成します。

ペルソナには以下の情報が含まれることが多いです。

  • 名前や写真(これによってペルソナにリアリティが出る)
  • 基本的な背景情報(年齢、職業、家族構成など)
  • ニーズや目標
  • 趣味、興味、価値観
  • 使用技術や頻度
  • その人物の課題
STEP.3

設計

設計とは、ユーザーが製品やサービスを効果的に、また効率的に活用できるように、内容や機能を緻密に整理・構築するプロセスを指します。

この設計の過程が、製品やサービスがどれだけ使いやすく、ユーザーが直感的に操作できるかを大きく左右します。特にWEBサイトやアプリケーションにおいては、この設計プロセスはユーザーエクスペリエンス(UX)の中心的な役割を果たしています。

設計の方法

方法:サイトマップの作成、カードソート、ユーザーフローの設計などの方法があります。

STEP.4

プロトタプ & ワイヤーフレームの作成

このステップでは、メッセージや目的が何であるのか、そしてユーザーにどんな行動を起こして欲しいのかを明確に定義します。

まず、必要となる情報や機能を一覧にして、それらの優先度を決定します。次に、ワイヤーフレームやプロトタイプの作成に取り掛かります。これらが完成したら、ユーザーテストを実施して、デザインや機能の適切性を確認することが望まれます。

ワイヤーフレームとは

ワイヤーフレームは、ウェブサイトやアプリケーションの初期設計段階において、そのページのレイアウトや配置、機能の場所などを示す基本的なフレームワークのことを指します。

プロトタイプとは

プロトタイプは、ワイヤーフレームを一歩進め、実際の動作やインタラクションを模倣したモデルのことを指します。

STEP.5

デザイン & 開発

この段階でのデザインは、前のステップで収集した情報や受け取ったフィードバックを基に、製品やサービスの具体的な外観や機能を形作ります。

デザインがユーザーの期待やニーズを的確に捉えていない場合、ユーザーからの評価や満足度が低くなる恐れがあります。

続く開発のフェーズでは、そのデザインを実際に動作する製品やサービスに変換するための技術的な実装が進められます。この時の技術の選定や実装の質は、製品やサービスの最終的な使い勝手や評価に直結するため、非常に重要です。

STEP.6

評価 & 改善を繰り返す

設計や開発の後の段階でも、継続的にユーザーからのフィードバックを収集し、それを元に製品やサービスを改善することが欠かせません。

ユーザーの要望や生活環境は時間が経つにつれて変わっていくので、製品やサービスもそれに応じて適応し、進化していく必要があります。このような改善のサイクルを適切に続けることで、ユーザーの満足度を持続的に高め、ビジネスの成果を最大化することが期待できます。

評価 ・ 改善の方法

アナリティクスのデータ分析、ユーザーフィードバックの収集、ユーザーテストなどを行う方法があります。

ここまでの工程が全て重要と考えた時に、デザインや開発の割合はどの程度になるのでしょうか。2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、エンジニアを志す若者に向けて以下のように語っています。

コードを書く時間というのは、エンジニアの仕事する時間をうち実体としては10%ぐらいじゃないか言われているんすよね。
コードを書いてる時間よりも使用設計をする時間の方が結構重要なんすよ。

https://www.youtube.com/watch?v=bXj41UDAAGk

エンジニアリングの分野では、コードを書くことは基本的な作業の一つとなります。しかし、それだけが全てではありません。コードを書く時間よりも、他の様々な作業の重要性が高まってきています。

特に設計の時間は、大きな意義を持ちます。この段階でユーザーのニーズや課題をしっかりと捉え、製品やサービスの設計に反映させることで、後の開発段階での手戻りや再作業のリスクを軽減することが期待できます。

設計を疎かにすると、単に工数の増加だけでなく、さまざまなトラブルの原因となります。以下では、設計を疎かにしたことによる実際のトラブル事例をいくつか紹介しています。

設計を疎かにしたことで起きた実際のトラブル

すべての事例が完全に設計の不足だけが原因と断定されたわけではありませんが、設計の問題が関与していたことが指摘されている事例をいくつか挙げます。

みずほ銀行のシステム障害

みずほ銀行は、約2,300万の個人顧客を有しており、これは日本の人口の約20%を占めます。言い換えれば、日本において5人に1人はみずほ銀行の口座を持っている計算になります。

しかしながら、過去にはみずほ銀行がシステム障害や関連するトラブルでニュースに取り上げられる事態が複数回発生しています。

特に2002年に起こった大規模なシステム障害の主要な原因の一つは、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3つの異なる銀行がそれぞれ独自のITシステムを持っていたことです。

これらを新しく一つのシステムに統合する過程が非常に複雑でした。しかし、その複雑さを過小評価し、十分なテストが実施されなかったため、本番環境で多くの問題を引き起こしました。

ボーイング新型機「737MAX」の2度の墜落事故

  • 2018年10月29日、インドネシアのジャワ海でライオン・エア610便(ボーイング737MAX 8型機、PK-LQP)が離陸後約10分で墜落、乗客乗員189名全員が死亡した。
  • 2019年3月10日、エチオピア航空302便(ボーイング737 MAX 8型機)がボレ国際空港を離陸後約6分で墜落し、乗員乗客157人全員が死亡した。

2度の墜落事故の主要な原因は、航空機の制御システム、特に「MCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System)」が問題でした。

このシステムは、迎角(Angle of Attack、AOA)を検出するセンサーからのデータに基づいて動作します。このセンサーが誤った情報をMCASに送信した場合、迎角の不一致をパイロットに伝える警告が標準装備されていませんでした。

加えて、MCASの動作原理や対処法についての説明や訓練がパイロットに対して十分に行われていなかったという問題も指摘されています。

まとめ

この記事では、ユーザーセンタード・デザイン(UCD)のプロセスと設計の重要性に焦点を当てました。『プログラミング』や『デザイン』はもちろん重要な要素ですが、それだけでは不十分です。ユーザーの視点を理解し、十分な調査と設計を行うことが、優れた商品やサービスを作る上で極めて重要です。この記事がきっかけで、現在の皆さんのアプローチが本当に効果的であるかを再考する良い機会になればと幸いです。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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